
コロンとした独特の姿が魅力の塊根植物。置くだけでも存在感がありますが、ちょっとした工夫でぐっとおしゃれに見せることができます。逆に、なんとなく並べてしまうとごちゃごちゃして落ち着かない印象になることもあります。
この記事では、初心者の方でも気軽に真似できる飾り方のコツと、暮らしに取り入れやすいシーン別のアイデアをご紹介します。
この記事で分かること:
- すっきり見える配置の基本(高さのバランスや余白のつくり方)
- お部屋のテイスト別スタイリング(北欧・和モダン・インダストリアルなど)
- シーン別の最適な飾り方(窓際・棚・玄関・寝室・ワークスペース・吊るす・水まわり)
- 失敗しない実用ポイント(水やり後の水跡対策や清潔感の保ち方)
読み終わるころには、「お気に入りの一鉢をどこに置けば一番映えるか」が自然と分かるはずです。少ない点数でもすっきり上品に見せるコツを一緒に学んで、あなたらしいインテリアを楽しんでみましょう。
塊根植物をインテリアに取り入れる基本のコツ
高さとバランスを意識する
同じ植物でも、置く高さを工夫するだけでお部屋の印象はぐっと変わります。床に置く大きめの鉢と、棚に置く中鉢、さらに吊るす小鉢などを組み合わせると、空間にリズムが生まれておしゃれに見えます。
- 「床・棚・吊るす」の三段構成を意識すると整いやすいです。
- 小物と組み合わせるときは奇数(3点)を目安にするとバランスが良く見えます。
- すべてを埋めずに余白を残すと、落ち着いた雰囲気になります。
鉢と色・素材で統一感を出す
塊根植物はフォルムが個性的なので、鉢の選び方ひとつで印象が大きく変わります。あれこれ混ぜるよりも、まずは色を2色以内に絞るのがおすすめです。白やグレーなどシンプルな色はどんな部屋にもなじみやすく、初心者にも安心です。
- ナチュラルな部屋 → 素焼きやラタンで温かみを出す
- モダンな部屋 → 陶器やコンクリ調で引き締める
- 統一感を出したい → 同じ形や色の鉢を繰り返し使う
部屋のテイストに合わせたスタイリング
インテリア全体と調和させると、植物がより引き立ちます。お部屋のテイストに合わせて鉢や小物を選んでみましょう。
- 北欧スタイル:白い陶器鉢+木目の家具で明るく柔らかい印象に
- 和モダン:黒や素焼きの鉢+落ち着いた照明で凛とした雰囲気に
- インダストリアル:コンクリ調の鉢+アイアン家具で無骨さを楽しむ
動線とお手入れのしやすさを考える
飾り方に夢中になると、生活の動線やお手入れのことを忘れがちです。長く楽しむためには、毎日のお世話がしやすい位置に置くことも大切です。
- 通り道に置くとぶつかる原因になるので、角や壁際に配置する
- 水やりのしやすい位置に置く(持ち運びしやすい鉢から始めると安心)
- 窓際に置くときは、風通しやエアコンの風が直接当たらない場所を選ぶ
- 棚や床は受け皿やマットを敷いて、水跡や汚れを防ぐ
基本を意識するだけで、塊根植物はぐっと映えるようになります。「高さ」「色」「部屋との調和」「お手入れのしやすさ」を意識して、まずは一鉢から楽しんでみてくださいね。
シーン別の飾り方アイデア
塊根植物は置く場所によって雰囲気が変わります。ここでは窓際・棚・吊るす・玄関・寝室・ワークスペース・水まわりといった暮らしのシーンごとに、初心者でも真似しやすい飾り方をご紹介します。
窓際に置いて自然光を活かす
窓際は植物にとって一番心地よい場所のひとつです。たっぷり光が当たるので、塊根のフォルムや葉の色がきれいに見えます。ただし、夏の直射日光は葉焼けの原因になるので、レースカーテン越しにすると安心です。
- 中鉢を1つ置くだけで十分存在感が出ます。
- 光が入りにくい北側の窓なら、補助的に植物用ライトを使うと安心です。
- 鉢の下に受け皿を敷いて、水やり後の水滴対策をしておきましょう。


棚やラックに並べて小物と一緒に飾る
棚やラックは植物と雑貨を一緒に楽しめる場所です。小さな鉢を数個並べると、インテリアのアクセントになります。ポイントは置きすぎないこと。小物と組み合わせて3点程度にすると、すっきりまとまります。
- グラキリスや小型のパキポディウムなど、コンパクトな種類がおすすめです。
- 本や写真立てと組み合わせると、暮らしの中に自然に溶け込みます。
- 水やり後の水滴で棚が傷まないように、マットや受け皿を使いましょう。


吊るして立体感を出す
ハンギングは空間を広く見せる効果があり、部屋に動きを与えてくれます。軽めの鉢を使えば扱いやすく、水やりも簡単になります。床に置いた鉢と組み合わせると上下にリズムが出ます。
- 窓際や壁際に吊るすと空間に抜け感が出ます。
- 水やりはお風呂場などで済ませてから戻すと安心です。
- 受け皿付きのハンギングを選ぶと床汚れを防げます。


玄関に小鉢でウェルカム感を演出
玄関はお客様を迎える大事な場所。小さな塊根植物をひとつ置くだけで、明るい印象になります。日当たりが少ない玄関では耐陰性のある種類を選ぶと安心です。
- ポトスやシダ類など、暗さに強い植物と組み合わせても◎。
- 清潔感を大事にして、枯れ葉やほこりはこまめに取り除きましょう。
- 靴箱の上や小さな棚に、1〜2鉢だけ置くのがおすすめです。


寝室でリラックス空間をつくる
寝室に塊根植物を置くと、落ち着いた雰囲気になり、心地よい空間になります。ベッドサイドには小さな鉢がおすすめです。大きな鉢は圧迫感を与えるので避けましょう。
- やさしい色合いの鉢を選ぶと寝室になじみます。
- 照明の真下は避けて、少し離れた位置に置くと落ち着きます。
- 水やりは控えめにし、湿度を保ちながら清潔感を大事にしましょう。


ワークスペースに置いて集中力アップ
デスク周りにグリーンがあると、ふとしたときに目を休められます。小鉢をひとつ置くだけでも、集中とリラックスの切り替えに役立ちます。
- モニターの横やデスクの端に置くと作業の邪魔になりません。
- 小さめの塊根植物なら圧迫感がなく、気軽に取り入れられます。
- ほこりが溜まりやすいので、週1回は葉をやさしく拭いてあげましょう。


水まわりに耐湿性植物を添える
洗面所やバスルームは湿気が多いため、植物にとってはやや厳しい環境です。ただ、工夫次第で楽しむことができます。耐湿性のある種類を選び、換気を忘れないようにしましょう。
- 鏡の横や棚に置くと、空間がぱっと明るくなります。
- 水はね対策にマットを敷いたり、こまめに拭き取ると清潔感が保てます。
- 換気を心がけて、蒸れを防ぎましょう。


相性の良いアイテムとグッズ
塊根植物をもっとおしゃれに、そして快適に楽しむためには、ちょっとしたアイテムを取り入れるのがおすすめです。ここでは「見せ方」と「お手入れのしやすさ」の両方に役立つグッズをご紹介します。
鉢カバーとプラントスタンド
鉢カバーを変えるだけで、同じ植物でも雰囲気がガラッと変わります。ナチュラルな部屋ならラタンや布製、シンプルモダンな部屋なら白や黒の陶器鉢がぴったりです。さらに、プラントスタンドを使うと高さに変化が出て、空間にリズムが生まれます。
- 床に直置きすると圧迫感が出やすい → スタンドで目線を上げる
- 小鉢を複数並べる → カバーや鉢の色をそろえると統一感が出ます
- 水や汚れが気になるとき → カバーの中に受け皿を入れると安心です
補光ライト
どうしても日当たりが足りないお部屋では、植物用ライトがあると心強いです。最近はデザイン性の高いライトも多いので、インテリアになじみやすくなっています。自然光に近い白っぽい光を選べば、植物も元気に育ちやすく、お部屋も明るい印象に。
- 暗い場所でも育てやすくなるので、配置の自由度が広がります
- タイマー付きならスイッチの入れ忘れがなく、毎日のお世話が楽になります
- デスクや棚の横に設置できるコンパクトタイプもおすすめです
受け皿・マット
見た目をきれいに保ちながら、床や家具を守るために受け皿やマットも大切です。シンプルなデザインを選べば、インテリアを邪魔せず自然になじみます。
- 木の棚 → コルクやフェルトのマットで輪じみを防止
- 床置き → 透明や白の受け皿なら目立たずスッキリ
- 鉢と同じ素材の受け皿を合わせると一体感が出ます
よくある失敗と整え方
ごちゃつく問題:点数調整とグルーピング
「おしゃれに見せたい」と思って鉢や小物を置きすぎると、逆にごちゃごちゃして落ち着かない空間になってしまいます。最初は点数を絞って、同じ色や素材のものをまとめるだけでスッキリ感が出ます。
- 置く点数:ひとつの棚やコーナーには植物2つ+小物1つくらいが目安。
- 統一感:同じ形や色の鉢を繰り返し使うときれいに見えます。
- 高さの工夫:背の高い鉢と低い鉢を組み合わせるとバランスが良いです。
- 余白:全部埋めずに空間を3〜4割あけると抜け感が出ます。
ワンポイント:「これを外した方がすっきり見えるかな?」と時々見直す習慣をつけると失敗が減ります。
暗さ問題:光や置き場所の工夫で改善
「見た目はいいけど暗い場所」に置くと、植物が弱ってしまうことがあります。できるだけ光の入る場所へ移動させてあげましょう。どうしても暗いときは、植物用のライトを補助的に使うのもおすすめです。
- 置き場所:朝日が入る東向きの窓辺がベスト。レースのカーテン越しの光も◎。
- 補助ライト:暗い部屋なら「自然光に近い白っぽいライト」を6〜8時間ほど当ててあげると安心です。
- 照らし方:上から斜めに光を当てると自然で、お部屋の雰囲気も良くなります。
- 風通し:窓を少し開けて空気を動かすだけでも元気に育ちます。
ワンポイント:どうしても暗い場所に置きたいときは、小さめの鉢や白い鉢を選ぶと明るく見えます。
水跡・土こぼれ問題:掃除と予防策
おしゃれに飾っても、水跡や土がこぼれると一気に清潔感がなくなってしまいます。最初から「汚れにくい工夫」をしておくと、お世話もラクで気持ちよく楽しめます。
- 受け皿やマット:木の棚にはフェルトやコルクマットを敷くと安心。床置きなら透明や白の受け皿がおすすめ。
- 水やり:お部屋で水をこぼすのが心配なら、洗面所やお風呂で水をあげてから戻すと清潔に保てます。
- 土の工夫:表面に化粧砂を軽く敷くと、土の粉が舞わず見た目も整います。
- 掃除習慣:週に1回、鉢周りや棚を拭くだけでもスッキリ感が続きます。
困りごと | よくある原因 | 解決のヒント |
---|---|---|
見た目がごちゃごちゃする | 置きすぎ/鉢の色や形がバラバラ | 3点以内に絞る/鉢の色や形をそろえる |
葉がひょろっと伸びる・元気がない | 光不足・空気がこもっている | 光の入る場所へ移動/窓を開けて空気を動かす |
棚に輪じみ・床に水跡 | 受け皿を使っていない/水の切りが不十分 | 水やりは洗面所で/受け皿とマットを使う |
Q&A:インテリアでの疑問解消
Q1:塊根植物は暗い部屋でも大丈夫?
A:まったく日が入らない場所では元気に育ちにくいです。どうしても暗い部屋に置きたい場合は、植物用のライトを使って補ってあげましょう。窓際に少しでも動かせるときは、週に何度か日当たりのよい場所に出してあげるのもおすすめです。
Q2:おしゃれに見せる鉢はどんな素材?
A:失敗しにくいのは白やグレーのシンプルな鉢です。どんな部屋にもなじみやすく、塊根植物の個性的な形も引き立ちます。ナチュラルな雰囲気ならラタンや素焼き、モダンに見せたいなら陶器やコンクリート調の鉢も素敵ですよ。
Q3:狭い部屋に飾るなら何を優先すべき?
A:狭い空間では、あれこれ置きすぎないのがコツです。小さめの鉢を1〜2点に絞り、スタンドや吊るす方法で高さに変化をつけると圧迫感が出ません。鉢の色をそろえるとすっきりまとまり、お部屋が広く見えます。
まとめ
塊根植物は個性的なフォルムを持つからこそ、置き方ひとつでお部屋の雰囲気が変わります。本記事では「基本のコツ」から「シーン別アイデア」まで紹介しました。最後にポイントを整理します。
- 高さとバランス:床・中段・上段の三層でリズムをつくる。
- 鉢や素材の統一:色数は絞り、反復で洗練度を高める。
- シーン別の工夫:窓際は光量調整、棚は小物3点ルール、寝室は落ち着いたトーンなど。
- 実用面の対策:受け皿・マットで水跡防止、補光ライトや換気で環境を安定。
「おしゃれに見せたい」と思うと、つい鉢を増やしたくなりますが、実は少ない点数+余白が一番の近道です。基本のルールを押さえたうえで、あなたの暮らしに合う塊根植物の楽しみ方を見つけてみてください。



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