「塊根植物って気になるけど、どれを選べばいいんだろう?」──そんな不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。独特なフォルムと存在感で人気の塊根植物ですが、種類によっては初心者には育てにくいものもあります。
この記事では、初心者でも育てやすいおすすめの塊根植物5種類を厳選してご紹介します。実際にお部屋で育てやすい種類や、見た目の特徴・選び方のポイントもあわせて解説しますので、初めて塊根植物に挑戦する方でも安心です。

初心者におすすめする基準と選び方のポイント
塊根植物は種類が豊富で、形や大きさ、育て方もさまざまです。せっかく迎え入れるなら、最初の一鉢で失敗せずに長く楽しみたいですよね。そこで、初心者の方が選ぶときに意識したいポイントをまとめました。
- 育てやすさ:乾燥に強く、日常の水やりや管理がシンプルなものを選ぶ。
- 大きさ:最初は小さめサイズが扱いやすく、置き場所にも困らない。
- 流通のしやすさ:流通量が多い品種は入手しやすく、価格も比較的手頃。
- 見た目の好み:独特なフォルムや花を楽しめる種類を、自分の感性で選ぶのも大切。
このような基準を押さえておけば、「難しそう…」と思っていた塊根植物も安心して選べます。まずは身近で育てやすい種類から始めてみましょう。



初心者におすすめの塊根植物5選
塊根植物は個性的な姿から「難しそう」と感じられがちですが、実は初心者でも育てやすい種類がたくさんあります。ここでは、初めての方におすすめできる代表的な5種類をご紹介します。
1. アデニウム(砂漠のバラ)


別名「砂漠のバラ」と呼ばれるアデニウムは、花の美しさと塊根のユニークさを兼ね備えた人気種です。乾燥に強く、温かい場所を好むため、日当たりの良い窓辺などで育てやすいのが特徴です。
花を楽しみたい方や明るい窓辺に置きたい方におすすめです。
2. パキポディウム(マダガスカルの星)


マダガスカル原産のパキポディウムは、塊根植物ブームを牽引している代表格。幹のトゲと愛らしい葉のコントラストが独特で、種類によっては白い花を咲かせることもあります。
トロピカルな雰囲気を楽しみたい方に人気です。
3. オペルクリカリア・パキプス(塊根植物の王様)


「塊根植物の王様」とも呼ばれるパキプスは、枝ぶりの美しさと大迫力の幹が魅力。ただし希少性が高く、価格も高額なため、コレクター向けの品種といえるでしょう。
いつかは育てたい憧れの塊根植物として人気があります。
4. グラキリス(丸みのある可愛いフォルム)


ぷっくりとした丸い幹が特徴的なグラキリスは、愛らしいフォルムで観賞価値の高い品種です。乾燥に強く、明るい環境を好むため、初心者でも比較的育てやすいのが魅力です。
インテリアに可愛らしさを加えたい方におすすめです。
5. 亀甲竜(ユニークな甲羅模様の塊根)


名前の通り、亀の甲羅のような模様を持つユニークな姿が特徴の亀甲竜。見た目のインパクトはもちろん、成長の過程を観察する楽しみもあります。
個性的な塊根植物を育ててみたい方にぴったりです。



選び方のポイント
最初の一鉢でつまずかないために、ご自宅の環境・予算・入手性の3点を基準に選ぶと失敗が少なくなります。見た目の好みも大切ですが、まずは「育てやすさ」を優先しましょう。
日当たりや置き場所に合うか
塊根植物の多くは明るい場所を好む一方、真夏の直射日光は葉焼けの原因になります。室内で育てるなら、以下をチェックしましょう。
- 窓辺の光量:レースカーテン越しの明るさが確保できるか
- 風通し:エアコンの風が直接当たらない位置に置けるか
- 温度帯:冬に最低10℃以上を保てる場所があるか
予算やサイズ感で選ぶ
同じ種類でも、サイズや樹形で価格は大きく変わります。最初は小〜中型・手頃な価格帯から始めるのが安心です。
- 小型株:省スペースで管理が楽。価格も比較的お手頃
- 中型株:存在感が出やすく、インテリア性が高い
- 大型・希少株:管理難易度や価格が上がるため、2鉢目以降に
流通量の多さや入手しやすさも大事
流通が安定している種類は情報も多く、トラブル時に相談先が見つかりやすいのが利点です。ショップやオンラインで取り扱いの多い品種から選ぶと安心です。
- 情報の多さ:育て方記事や事例が見つかるか
- 交換・買い足しの容易さ:同種・同サイズが手に入りやすいか
- 健康株の見極め:幹にハリがあり、傷・腐敗臭がないか



初心者が失敗しないための注意点
塊根植物は比較的丈夫ですが、初心者がつまずきやすいポイントがあります。ここを意識しておくだけで失敗のリスクを大幅に減らせるので、ぜひ押さえておきましょう。
水やりのやりすぎに注意
塊根植物の大敵は根腐れです。特に初心者は「乾いているか不安」で水を与えすぎてしまいがち。土の表面だけでなく、鉢の中までしっかり乾いてから与えることが大切です。
- 鉢底から水が流れるまでたっぷり与える
- その後は完全に乾燥させる期間を作る
- 受け皿に水をためっぱなしにしない
冬の低温対策を忘れない
熱帯・亜熱帯原産の塊根植物は寒さに弱いため、冬場は注意が必要です。10℃を下回ると休眠に入り、場合によっては枯死のリスクもあります。
- 最低でも10℃以上を保てる場所に移動
- エアコンの温風や冷気が直接当たらないようにする
- 冬は断水気味にし、根を守る
成長期・休眠期を理解して管理
塊根植物は夏型・冬型・春秋型など、成長サイクルが品種ごとに異なります。休眠期に通常の管理をしてしまうと、株を弱らせてしまうことも。
- 夏型(例:アデニウム、パキポディウム)→ 夏に成長・冬に休眠
- 冬型(例:亀甲竜)→ 冬に成長・夏に休眠
- 春秋型(例:一部の塊根植物)→ 春と秋に成長・真夏と真冬に休眠



塊根植物に関するQ&A
ここでは、初心者の方からよく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。疑問を解消して、安心して塊根植物ライフを楽しんでください。
Q1:塊根植物は室内でも育てられますか?
A:育てられます。ただし日当たりと風通しをしっかり確保することが大切です。窓辺やベランダ近くなど、明るい場所に置いてあげましょう。
Q2:水やりの目安がわかりません…
A:塊根植物は乾燥気味に管理するのが基本です。土がしっかり乾いてから与え、休眠期はさらに控えめにしてください。
Q3:初心者でもパキプスは育てられますか?
A:正直に言うとパキプスは上級者向けです。希少で高価なうえ、管理も繊細です。初心者の方はアデニウムやグラキリスなど、比較的流通量が多く育てやすい品種から始めるのがおすすめです。
Q4:塊根植物に肥料は必要ですか?
A:必要です。ただし与えるのは成長期だけにしてください。休眠期に肥料を与えると根を痛める原因になります。緩効性肥料か液体肥料を薄めて与えるのが安心です。



まとめ
今回は、初心者におすすめの塊根植物5選をご紹介しました。もう一度振り返ると以下の通りです。
- アデニウム(砂漠のバラ):花も楽しめる人気種
- パキポディウム(マダガスカルの星):トゲと葉のコントラストが魅力
- オペルクリカリア・パキプス(塊根植物の王様):迫力の幹と枝ぶり
- グラキリス:丸みを帯びたかわいらしいフォルム
- 亀甲竜:甲羅のような個性的な見た目
塊根植物は見た目のインパクトだけでなく、成長サイクルや管理の奥深さも大きな魅力です。最初から完璧を目指す必要はなく、気に入った一鉢から始めて、少しずつ経験を積んでいきましょう。



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